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ケトジェニックダイエットのPFC計算の糖質量・脂質量設定を自動計算

「ケトジェニックダイエットを始めたいけど、PFCバランスってどう計算するの?」「糖質20g以下って具体的にどうやって管理するの?」「自分に合った脂質量がわからない」そんな悩みを抱えていませんか?

実は、ケトジェニックダイエットのPFC計算は基本的な公式を覚えれば意外と簡単です! 正確な計算ができれば、確実にケトーシス状態に入り、効率的な脂肪燃焼が期待できます。この記事では、初心者でも迷わないよう、計算方法から実際の食事への落とし込みまで、すべて詳しく解説していきます。

ケトジェニックダイエットの基本がまだ不安な方は、まずそちらをご覧ください!

ケトジェニックダイエットのPFCバランス

基本的な割合

ケトジェニックダイエットの標準的なPFCバランスは以下の通りです:

栄養素割合特徴
脂質(F)70-80%メインエネルギー源
タンパク質(P)15-25%筋肉維持・代謝向上
炭水化物(C)5-10%極限まで制限

他のダイエット法との比較

ダイエット法炭水化物脂質タンパク質
ケトジェニック5-10%70-80%15-25%
ローファット55-65%10-15%25-30%
バランス食50-60%20-30%15-20%

なぜこの比率なのか?

1. 炭水化物5-10%の理由

  • ケトーシス状態の維持:糖質を極限まで減らすことで体内の糖質を枯渇させる
  • インスリン分泌の最小化:脂肪燃焼を阻害するインスリンの分泌を抑制
  • 一般的な目安:1日の糖質量20-50g以下

2. 脂質70-80%の理由

  • 主要エネルギー源:糖質の代わりに脂質をメインエネルギーとする
  • ケトン体産生:肝臓での脂質分解によりケトン体を産生
  • 満腹感の維持:脂質は満腹感が持続しやすい

3. タンパク質15-25%の理由

  • 筋肉量の維持:減量中の筋肉分解を防ぐ
  • 糖新生の調整:過剰摂取すると糖質に変換される
  • 代謝機能の維持:酵素や免疫機能の材料

基礎代謝量とカロリー設定

基礎代謝量の計算

まず、1日の総消費カロリーを把握しましょう。

ハリス・ベネディクト方程式(改良版)

男性の場合

BMR = 13.397 × 体重(kg) + 4.799 × 身長(cm) - 5.677 × 年齢 + 88.362

女性の場合

BMR = 9.247 × 体重(kg) + 3.098 × 身長(cm) - 4.330 × 年齢 + 447.593

活動代謝量の計算

基礎代謝量に活動レベル係数を掛けて総消費カロリーを算出:

活動レベル係数特徴
座り仕事中心×1.2ほとんど運動しない
軽い運動×1.375週1-3回の軽い運動
普通の運動×1.55週3-5回の中程度運動
激しい運動×1.725週6-7回の激しい運動
極めて激しい運動×1.9毎日激しい運動+肉体労働

計算例

35歳男性、身長175cm、体重80kg、軽い運動の場合

  1. BMR = 13.397×80 + 4.799×175 - 5.677×35 + 88.362 = 1,789kcal
  2. 総消費カロリー = 1,789 × 1.375 = 2,460kcal

目標カロリーの設定

減量目的の場合

計算方法

  • 週0.5kg減量:総消費カロリー - 250kcal/日
  • 週1kg減量:総消費カロリー - 500kcal/日

上記例の場合

  • 週0.5kg減量:2,460 - 250 = 2,210kcal
  • 週1kg減量:2,460 - 500 = 1,960kcal

現状維持の場合

総消費カロリーと同じ摂取カロリーに設定します。

増量目的の場合

筋肉量を増やしたい場合:

  • 週0.25kg増量:総消費カロリー + 125kcal/日
  • 週0.5kg増量:総消費カロリー + 250kcal/日

PFC量の具体的計算方法

ステップ1:炭水化物量の決定

ケトジェニックダイエットでは炭水化物を最初に固定します。

推奨炭水化物量

レベル炭水化物量対象者
厳格20g/日以下初心者・確実にケトーシスに入りたい人
標準20-30g/日慣れた人・維持期
緩やか30-50g/日アスリート・活動量が多い人

正味炭水化物の計算

正味炭水化物 = 総炭水化物 - 食物繊維

:ブロッコリー100g

  • 総炭水化物:5.2g
  • 食物繊維:4.4g
  • 正味炭水化物:5.2g - 4.4g = 0.8g

計算例(炭水化物20g設定)

  • 炭水化物:20g
  • カロリー:20g × 4kcal = 80kcal

ステップ2:タンパク質量の計算

推奨タンパク質量

基本公式

タンパク質(g) = 体重(kg) × 1.2-2.0g

目的別推奨量

  • 減量期(運動なし):体重×1.2-1.4g
  • 減量期(運動あり):体重×1.6-1.8g
  • 維持期:体重×1.4-1.6g
  • 増量期:体重×1.8-2.0g

注意点:過剰摂取のリスク

タンパク質の摂りすぎは糖新生により糖質に変換され、ケトーシスを阻害する可能性があります。

目安:体重×2.0gを超えないよう注意

計算例(80kg男性、減量期)

  • タンパク質:80kg × 1.6g = 128g
  • カロリー:128g × 4kcal = 512kcal

ステップ3:脂質量の計算

残りのカロリーをすべて脂質で摂取します。

計算公式

脂質(g) = [目標カロリー - (炭水化物カロリー + タンパク質カロリー)] ÷ 9kcal

計算例(目標1,960kcal)

  • 残りカロリー:1,960 - (80 + 512) = 1,368kcal
  • 脂質量:1,368kcal ÷ 9kcal = 152g

完成したPFC設定例

80kg男性、減量期、1,960kcalの場合

栄養素グラム数カロリー割合
炭水化物20g80kcal4%
タンパク質128g512kcal26%
脂質152g1,368kcal70%
合計-1,960kcal100%

60kg女性、減量期、1,500kcalの場合

栄養素グラム数カロリー割合
炭水化物20g80kcal5%
タンパク質96g384kcal26%
脂質113g1,017kcal69%
合計-1,481kcal100%

目的別PFC調整パターン

体脂肪燃焼を最優先したい場合

特徴:より厳格な糖質制限と適度なタンパク質

  • 炭水化物:15g以下/日
  • タンパク質:体重×1.2-1.4g
  • 脂質:残りのカロリー

適用期間:2-4週間の短期集中

筋肉量維持を重視したい場合

特徴:タンパク質をやや多めに設定

  • 炭水化物:20-25g/日
  • タンパク質:体重×1.6-1.8g
  • 脂質:残りのカロリー

適用対象:筋トレ実施者、アスリート

持続性を重視したい場合

特徴:緩やかな制限で継続しやすく

  • 炭水化物:25-35g/日
  • タンパク質:体重×1.4-1.6g
  • 脂質:残りのカロリー

適用対象:長期継続希望者、ケトジェニック慣れした人

食材別糖質量の把握

主要食材の糖質量(100gあたり)

要注意食材(高糖質)

食材総炭水化物食物繊維正味糖質判定
白米37.1g0.5g36.6g❌ 絶対NG
食パン46.7g2.3g44.4g❌ 絶対NG
バナナ22.5g1.1g21.4g❌ 絶対NG
りんご15.5g1.4g14.1g❌ 絶対NG
じゃがいも17.6g1.3g16.3g❌ 絶対NG

注意食材(中糖質)

食材総炭水化物食物繊維正味糖質判定
玉ねぎ8.8g1.6g7.2g⚠️ 少量のみ
人参9.3g2.8g6.5g⚠️ 少量のみ
トマト4.7g1.0g3.7g⚠️ 少量のみ
ピーマン5.1g2.3g2.8g⚠️ 少量のみ

推奨食材(低糖質)

食材総炭水化物食物繊維正味糖質判定
ほうれん草3.1g2.8g0.3g✅ 積極摂取
ブロッコリー5.2g4.4g0.8g✅ 積極摂取
レタス2.8g1.1g1.7g✅ 積極摂取
アボカド6.2g5.3g0.9g✅ 積極摂取
きゅうり3.0g1.1g1.9g✅ 積極摂取

隠れ糖質に注意

調味料の糖質

調味料糖質量
ケチャップ大さじ13.8g
中濃ソース大さじ15.4g
みりん大さじ17.8g
はちみつ大さじ117.3g
砂糖小さじ14.0g

意外な高糖質食材

  • ドレッシング:ノンオイルタイプは糖質が多い
  • 加工肉:ソーセージ、ハムには糖質が含まれる
  • 調理済み食品:片栗粉、小麦粉の使用に注意
  • サプリメント:錠剤やカプセルに糖質が含まれる場合

実際の食事への落とし込み

1日3食の分配例

基本パターン(炭水化物20g、タンパク質128g、脂質152gの場合)

食事炭水化物タンパク質脂質
朝食5g30g40g
昼食8g40g60g
夕食7g58g52g

具体的な食材選択

朝食例(5g/30g/40g)

  • 卵2個(炭水化物0.6g、タンパク質12g、脂質10g)
  • アボカド1/2個(炭水化物0.5g、タンパク質1g、脂質15g)
  • ベーコン2枚(炭水化物0.2g、タンパク質10g、脂質8g)
  • MCTオイル小さじ1(炭水化物0g、タンパク質0g、脂質5g)
  • ほうれん草50g(炭水化物0.2g、タンパク質1g、脂質0g)
  • バター小さじ1(炭水化物0g、タンパク質0g、脂質4g)

合計:炭水化物1.5g、タンパク質24g、脂質42g

昼食例(8g/40g/60g)

  • 鶏胸肉150g(炭水化物0g、タンパク質33g、脂質2g)
  • ブロッコリー100g(炭水化物0.8g、タンパク質4g、脂質0g)
  • アーモンド20g(炭水化物2g、タンパク質4g、脂質11g)
  • オリーブオイル大さじ2(炭水化物0g、タンパク質0g、脂質27g)
  • レタス100g(炭水化物1.7g、タンパク質1g、脂質0g)
  • アボカドオイル大さじ1(炭水化物0g、タンパク質0g、脂質14g)

合計:炭水化物4.5g、タンパク質42g、脂質54g

夕食例(7g/58g/52g)

  • サーモン200g(炭水化物0g、タンパク質44g、脂質26g)
  • アスパラガス150g(炭水化物2.2g、タンパク質3g、脂質0g)
  • マッシュルーム100g(炭水化物1.4g、タンパク質3g、脂質0g)
  • バター大さじ1(炭水化物0g、タンパク質0g、脂質12g)
  • くるみ15g(炭水化物1.2g、タンパク質3g、脂質10g)
  • MCTオイル小さじ1(炭水化物0g、タンパク質0g、脂質5g)

合計:炭水化物4.8g、タンパク質53g、脂質53g

ケトン体測定とPFC調整

ケトン体の測定方法

1. 尿ケトン測定

  • 方法:尿試験紙を使用
  • メリット:安価、簡単
  • デメリット:精度がやや低い

2. 血中ケトン測定

  • 方法:血糖値測定器タイプ
  • メリット:高精度
  • デメリット:コストが高い

3. 呼気ケトン測定

  • 方法:専用の呼気測定器
  • メリット:非侵襲的
  • デメリット:機器が高価

目標値とPFC調整

ケトン体の目標値

測定方法軽度ケトーシス理想的ケトーシス深いケトーシス
尿ケトン1.5-4.0 mmol/L4.0-8.0 mmol/L8.0+ mmol/L
血中ケトン0.5-1.5 mmol/L1.5-3.0 mmol/L3.0+ mmol/L

推奨範囲:理想的ケトーシス(中等度)を目標

ケトン値が低い場合の調整

  1. 炭水化物をさらに減らす:20g → 15g
  2. MCTオイルを追加:ケトン体産生を促進
  3. タンパク質を微調整:過剰な場合は減らす
  4. 運動を追加:糖質の消費を促進

ケトン値が高すぎる場合の調整

  1. 炭水化物をわずかに増やす:20g → 25g
  2. タンパク質を増やす:筋肉量維持のため
  3. 水分摂取を増やす:ケトン体の排出促進

アプリ・ツールを使った管理

おすすめアプリ

1. Carb Manager

  • 特徴:ケトジェニック専用アプリ
  • 機能:正味糖質自動計算、ケトレシピ
  • メリット:ケト食材データが豊富

2. MyFitnessPal

  • 特徴:総合栄養管理アプリ
  • 機能:PFC自動計算、バーコードスキャン
  • メリット:食材データベースが豊富

3. Cronometer

  • 特徴:精密な栄養分析
  • 機能:微量栄養素まで詳細分析
  • メリット:科学的データに基づく

手動計算用スプレッドシート

基本構成

食材名 | 重量(g) | 炭水化物(g) | タンパク質(g) | 脂質(g) | カロリー
アボカド | 100g | 0.9g | 2g | 15g | 187kcal
鶏胸肉 | 150g | 0g | 33g | 2g | 165kcal
...
合計 | - | 20g | 128g | 152g | 1,960kcal
目標 | - | 20g | 128g | 152g | 1,960kcal
差分 | - | 0g | 0g | 0g | 0kcal

自動計算式

  • 炭水化物カロリー:=炭水化物量×4
  • タンパク質カロリー:=タンパク質量×4
  • 脂質カロリー:=脂質量×9
  • 総カロリー:=各栄養素カロリーの合計

よくある計算ミス

1. 総炭水化物と正味炭水化物の混同

間違い:食物繊維を含む総炭水化物で計算 正解:正味炭水化物(総炭水化物-食物繊維)で計算

2. 調味料・油の見落とし

間違い:主要食材のみで計算 正解:調味料、調理油もすべて含めて計算

  • サラダのドレッシング大さじ1:糖質2-3g
  • 炒め物の油大さじ1:脂質14g

3. 加工食品の糖質見落とし

間違い:原材料のみで判断 正解:栄養成分表示を確認

要注意加工食品

  • ソーセージ、ハム:結着剤として糖質使用
  • 調味料:砂糖、でんぷん添加
  • プロテインパウダー:フレーバー付きは糖質含有

4. 外食での推測ミス

間違い:見た目だけで判断 正解:公式サイトの栄養成分表示確認、または類似食品で代用計算

停滞期でのPFC調整

よくある停滞の原因

  1. 隠れ糖質の摂取:無意識の糖質摂取
  2. タンパク質過剰:糖新生による糖質変換
  3. カロリー過多:脂質の摂りすぎ
  4. ケトーシス不足:不完全なケトーシス状態

段階的な調整方法

第1段階(1-2週間停滞時)

  • 炭水化物を5g減らす:20g → 15g
  • 食事記録の再確認:隠れ糖質をチェック
  • 水分摂取を増やす:代謝促進

第2段階(3-4週間停滞時)

  • カロリーを100kcal減らす:主に脂質から
  • MCTオイルを追加:5-10g/日
  • 軽い有酸素運動を追加

第3段階(長期停滞時)

  • チートデイを実施:1日のみ糖質摂取
  • 一時的なカロリー制限:2-3日間
  • 運動強度の見直し

個人差への対応

体質による調整

糖質感受性が高い人

  • より厳格な糖質制限:15g以下/日
  • MCTオイルの積極活用
  • 定期的なケトン体測定

運動量が多い人

  • 炭水化物をやや増量:25-35g/日
  • タンパク質を増量:体重×1.8-2.0g
  • 電解質の積極補給

代謝が低い人

  • カロリーをより厳格に管理
  • タンパク質の最適化:過不足なく
  • 基礎代謝向上の運動:筋トレ重視

年齢・性別による調整

女性の場合

  • 鉄分不足に注意:赤身肉、レバーを積極摂取
  • 生理周期への配慮:不調時は緩める
  • 骨密度維持:カルシウム・ビタミンD確保

高齢者の場合

  • タンパク質を多めに:筋肉量維持
  • 消化に配慮:柔らかい食材中心
  • 医師との相談:基礎疾患の確認

よくある質問

Q: 計算が複雑で挫折しそうです。簡単な方法はありませんか?

A: 最初の1-2週間は面倒でも正確に計算し、慣れてきたらパターン化することをおすすめします。同じような食材・分量の組み合わせを覚えれば、後は感覚的にできるようになります。

Q: 外食時はどうやって計算すればいいですか?

A: ケトジェニック外食・コンビニ活用術で詳しく解説していますが、事前にメニューの栄養成分を調べるか、アプリで類似メニューを検索する方法があります。

Q: ケトン体が検出されません。何が原因でしょうか?

A: 以下を確認してください:

  • 炭水化物量は20g以下か?
  • 隠れ糖質を見落としていないか?
  • タンパク質を摂りすぎていないか?
  • 十分な期間(1-2週間)継続したか?

Q: 体重は減っているのにケトン体が出ません

A: 体重減少が起きていれば脂肪は燃焼しています。ケトン体は測定タイミングや個人差があるため、体重・体調を総合的に判断してください。

Q: 計算通りにやっても痩せません

A: 以下を見直してみてください:

  • 総カロリーが多すぎないか?
  • 運動不足ではないか?
  • 睡眠・ストレスは適切か?
  • 十分な継続期間か?

Q: プロテインパウダーは使えますか?

A: 糖質の少ないプロテインなら使用可能です。プロテインの効果的な飲み方も参考にしてください。成分表示で糖質量を必ず確認しましょう。

まとめ

ケトジェニックダイエットのPFC計算は、最初は複雑に見えても基本を覚えれば簡単です。

計算手順のおさらい

  1. 基礎代謝・目標カロリーを設定
  2. 炭水化物を20g以下に固定
  3. タンパク質を体重×1.2-1.8gで設定
  4. 残りのカロリーを脂質で調整
  5. ケトン体測定で効果確認

成功のコツ

  • 正味炭水化物での計算を徹底
  • 隠れ糖質にも注意
  • アプリやツールを活用
  • 定期的な見直しと調整

正確なPFC設定ができれば、確実にケトーシス状態に入り、効率的な脂肪燃焼が期待できます。計算に慣れてきたら、ケトジェニック食事完全ガイドも参考にして、理想の体型を目指しましょう!